【骨コラム】骨密度はどこで検査できるの?
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長く健康に過ごすためには、骨の健康が大切です。骨密度とはそもそも何か、また、どこで検査できるのかについて見ていきましょう。
骨密度とは?
骨密度とは、骨に含まれる骨塩(ミネラル成分)の濃度のことです。骨密度は年齢によっても変化し、20歳ごろまでは上昇しますが、その後は徐々に低下するといわれています。特に女性は閉経する50歳前後から急速に低下し、骨中の骨塩が少なくなってしまいます。
また、骨自体の量も年齢により減少します。骨は吸収と形成を繰り返しており約10年ですべて入れ替わりますが、吸収量が形成量を上回ると骨自体が減少し、密度低下につながります。
骨密度を調べる方法
骨密度を測定する方法はいくつかあります。その中でももっともよく用いられるのは「二重X線吸収法(DXA法、デキサ法)」と呼ばれる方法で、測定精度が高く、なおかつ少量のX線量で調べられるため、被験者の身体的負担が少ないという特徴もあります。
また、かかとから超音波で測定する「超音波測定法」もあります。二重X線吸収法と比べると簡易的に骨密度を調べることができるので、先に超音波で調べてから、問題のある被験者のみ二重X線吸収法で詳細に調べるケースも少なくありません。X線を使用しないので、妊娠中でも骨密度を測定できる方法です。
そのほかにも、手の骨とアルミニウム板を同時にX線で撮影し、アルミニウムの濃度を比較することで骨密度を測定する「MD法」もあります。MD法は計測が簡単なため、クリニックなどの小規模医療施設でもしばしば用いられています。
また、尿検査や血液検査を通して、骨の吸収・形成のバランスやビタミンKの不足状況を調べて骨密度が正常かどうか予測することもできます。骨密度が低いと考えられるときには、二重X線吸収法などを用いて、より詳細に測定します。
詳細に調べたいときには二重X線吸収法
いくつかある骨密度測定法の中でも、二重X線吸収法は精度が高く、詳細に調べたいときにも活用できる方法です。規模の小さなクリニックでは利用できないこともあるので、事前に電話などで測定器を設置しているのか尋ねておくとよいでしょう。
二重X線吸収法では、全身のほとんどの骨の骨密度を測定することができます。腰や脚の付け根を測ることが一般的で、各部位の骨密度を1分ほどで調べます。
痛みなどの刺激がまったくないので、小さなお子さんから痛みに弱い方までストレスなく骨密度を測定することが可能です。検査用のベッドに乗り、仰向けに数分姿勢を維持するだけで測定を終えることができます。
骨密度の検査はどこで受けられる?
国が実施している公的健診で、骨密度の検査を受けられることがあります。40歳以上の女性を対象とした健診では一般的に骨密度の検査が含まれているので、参加するようにしましょう。
また、自治体単位で骨粗しょう症対策の検診を実施していることがあります。参加できる年齢や性別に制限が設けられていますが、骨密度の検査も含まれているので定期的に参加して骨の状態を把握しておくようにしましょう。
自治体の検査に関しては広報でも告知されますが、対象となる人に対して直接封書やハガキなどで案内が届くこともあります。案内ハガキが受診券代わりになることもあるので、大切に保管し、必要であれば予約をしておきましょう。
自費で骨密度検査を受けることもできる
公的健診では費用の大部分が国や自治体が負担するため、無料あるいは少額で骨密度を調べることができます。しかし、利用できる年齢や性別、検査日が限られているので、誰もが骨密度を知りたいタイミングで調べられるというわけではありません。
今すぐ骨密度を調べたいという方は、自費で骨密度検査を受けることも検討してみましょう。お住まいの自治体の保健所に電話をすれば、近くで骨密度検査を受けられる医療機関を紹介してもらえます。
自費で骨密度を調べる場合の費用の目安
自費で骨密度を調べる場合は、医療機関にもよりますが5,000円~10,000円程度かかります。ただし、骨密度を調べた結果、骨粗しょう症であることが判明した場合には保険適用となり、3割負担の方であれば1,500円~3,000円程度になります。
骨密度を定期的に調べよう
骨は吸収と形成を繰り返しているため、骨密度も日々変化しています。6ヶ月~1年に一度は骨密度を調べ、骨の健康状態もチェックするようにしましょう。
特に女性は50歳前後から急激に骨密度が低下し、骨が折れやすくもろい状態になります。骨をつくるカルシウムやカルシウムの吸収を助けるビタミンD、ビタミンK、骨のコラーゲン劣化を防ぐビタミンB6、ビタミンB12、葉酸などを豊富に含むバランスの取れた食事を心掛けましょう。また、適度に運動をして骨を鍛えることはもちろんのこと、定期的に骨密度を調べて骨の健康状態を確認することも大切です。