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【更年期コラム】大豆イソフラボンからつくられる”エクオール”は骨にも良い!

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老化と共に骨密度が下がり、骨粗しょう症などにかかるリスクが高くなります。骨を丈夫にする栄養素といえば「カルシウム」を思い浮かべる方も多いですが、実は、大豆イソフラボンからつくられる「エクオール」も重要な役割を果たします。

この記事では、
・なぜエクオールは骨に良いのか?
・エクオールを摂取するには何が必要なのか?
について解説します。

 

骨密度の低下は
女性ホルモンの低下と
関係がある

 

骨密度は20歳頃に最大になり、その後、徐々に低下していきます。低下する速度は男性よりも女性が速く、特に40代、50代で急激に骨密度が下がることが分かっています。
これは、40代、50代で閉経を迎え、女性ホルモンである「エストロゲン」の分泌が減少することと無関係ではありません。

骨密度の低下をもたらす
エストロゲンの分泌量低下

骨は、約10年で骨全体が入れ替わると言われるくらい、常に吸収と形成を繰り返しています。しかし、吸収する量に形成する量が追いつかないと、骨密度が下がり、骨が弱くなって骨粗しょう症になるリスクも高くなってしまいます。
エストロゲンは、骨の形成をうながし、なおかつ骨からカルシウムが流出するのを防ぐ役割を果たすホルモンです。更年期を迎えるとエストロゲンの分泌量が下がるため、骨の吸収が骨の形成を大きく上回るようになり、骨密度低下につながります

更年期を迎えると
10年で20%も骨密度が下がる

エストロゲンの分泌量が減少すると、骨密度は下がっていきます。個人差もありますが1年で約2%下がると言われており、更年期から10年も経つと骨密度は約20%も低下する計算になります。
実際に、閉経年齢の中央値は50歳頃のため、60歳の方は50歳のときと比べて骨密度が80%程度、70歳の方は70%程度にまで下がってしまうことが分かっています。骨粗しょう症も50代以降で急増するので、早めに骨密度を下げないケアが必要といえるでしょう。

 

エクオールの摂取で
骨密度の低下を抑えられる

 

骨密度の低下を抑制するのはカルシウムだけではありません。エストロゲンと似た働きをするエクオールを摂取することで、骨からカルシウムの流出を防ぎ、骨密度の低下を抑制することもできるのです。

エクオールとは?

エクオールとは、大豆イソフラボンが腸内細菌によって代謝されることで生まれる成分です。エストロゲンと似た働きをするため、骨の形成を促し、骨からカルシウムが流出するのを防ぐことができます。
しかし、大豆イソフラボンを摂取しても、必ずしもエクオールが生成されるわけではありません。腸内細菌としてエクオールを生み出す「エクオール産生菌」を持っていない人は、大豆イソフラボンを摂取してもエクオールは産生できず、そのまま体内に吸収されてしまいます。

エクオールのコンスタントな産生は難しい

エクオール産生菌を腸内細菌として保有している人の割合は、日本人は約50%といわれています。食生活などによってもエクオール産生菌は影響を受けるため、国ごとに保有率は異なります。例えば中国では約55%、アメリカでは約28%の人のみエクオール産生菌を保有しているといわれています。
また、エクオール産生菌を保有していても、毎日コンスタントにエクオールを産生できるわけではありません。日によってエクオールの産生量が大幅に減ることや、まったく産生しないこともあるようです。

エクオールの産生に役立つ2つの習慣

エクオールの産生量は日によって異なりますが、次の2つの習慣を身につけることで安定した産生量を目指すことはできます。ぜひ骨密度の低下を防ぐためにも、次の2つの習慣を実施してみましょう。

①大豆食品を毎日食べる
②規則正しい生活を心掛ける

エクオールを生み出す大豆イソフラボンは、体内に貯めておくことができません。毎日大豆食品を食べることで、エクオールの材料を供給し続けるようにしましょう。
例えば豆腐や油揚げ、おから、きな粉なども大豆でできています。味噌や醤油など、大豆からできた調味料も多数あります。大豆食品は和食に使われていることが多いので、和食中心とした食生活を心掛けることで、大豆イソフラボンも摂取しやすくなるでしょう。

エクオールを産生するためには腸内のエクオール産生菌が働くことが必要ですが、腸内環境が悪くなると正常な働きを期待できません。腸内環境を良好に整えるためにも、睡眠時間をしっかりと確保し、バランスよく食事を摂る規則正しい生活を心掛けるようにしましょう。ストレスを溜めないことも、腸内環境を良好に保つポイントです。思いつめないように意識し、健康的な生活を送るようにしましょう。

 

サプリメントも活用しよう

 

毎日、意識的に大豆を摂取することは大切ですが、思うような量を摂取できないときもあります。また、大豆イソフラボンの量は充分でも、体内にエクオール産生菌がない場合や、エクオール産生菌が活発に働かない可能性もあるでしょう。
そのようなときは、エクオールが含まれたサプリメントも活用できることがあります。骨密度の低下を防ぐためにも、大豆食品を食べることや規則正しい生活を意識した上で、サプリメントも採り入れていきましょう。