働き盛り世代はたんぱく質が足りていない?!40代から摂り入れたい”たんぱく質週間”
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毎日、仕事に家事に育児に…と、忙しい皆さま、お疲れ様です! 家族や周りが優先になっていて、自分のことは後回しになっていませんか? 働き盛り世代でたんぱく質が不足していることが指摘されています。
たんぱく質は、健康的な体を維持するために、私たちにとって欠かせない栄養素。 特に、40代~50代は、更年期や将来の健康リスクを考えると、たんぱく質を意識して摂ることがとても重要になってきます。今回は、たんぱく質が不足するとどうなるのか、どんなものを食べればいいのかをご紹介します。
1. なぜ、たんぱく質が重要なのか?
たんぱく質は、筋肉や骨、血液、皮膚、髪など、体のあらゆる部分を作るために必要な栄養素。 また、酵素やホルモン、免疫物質の材料にもなるため、健康を維持するためには欠かせない存在です。たんぱく質が不足すると、以下のようなことが起こる可能性があります。
たんぱく質不足と関係があること
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- 筋肉量の減少: 筋肉量が減ると、基礎代謝が低下し、太りやすくなったり、疲れやすくなったりします。 また、転倒のリスクが高まり、骨折しやすくなることも。
- 免疫の低下: 生体防御に関わる免疫物質もたんぱく質の一種でできています。免疫の低下は風邪や感染症のリスクがあがります。
- 肌や髪のトラブル::肌のハリやツヤが失われたり、髪がパサついたり、抜け毛が増えたりする可能性も。
- 骨の健康:骨がもろくなり、骨折しやすくなる等、骨粗しょう症のリスクも。
- 貧血::鉄分の吸収が悪くなり、貧血になりやすくなります。
- フレイル:加齢に伴って心身が老い衰えた状態を「フレイル」と言いますが、たんぱく質不足はフレイルのリスクを高めます。
フレイルとは、将来的に日常生活でサポートが必要な要介護状態になるリスクが高い状態のことです。 厚生労働省は、2020年4月に生活習慣病やフレイル予防を目的に、たんぱく質摂取目標量を引き上げました【1】。
たんぱく質の摂取不足はフレイルと関連することが報告されており、フレイル対策としてたんぱく質の摂取が重要であることが知られています。
『介護なんて、まだ先のこと』
なんて思っていらっしゃいませんか?
フレイル対策は、高齢者になってから取り組むのでは遅く、40~50代といった働き盛りの世代から取り組むことが重要という研究結果があるのです【2】。
2. 働き盛り世代でたんぱく質不足が増えている?!
一方で、私たちヘルスケアシステムズが20~80代の約300人を対象に実施した調査【3】では、たんぱく質摂取量が目標値に届かなかった人が全体で約7割にのぼっており、しかも、働き盛りの20代~40代は60代以上に比べて摂取できている人の割合が少ないことがわかりました。
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この調査では男女の明確な差はありませんでした。無理なダイエットや偏った食事制限、 朝食を抜くことで1日のたんぱく質摂取量が不足しやすくなりがちです。
3. 推奨量と目標量~1日に必要なたんぱく質量を知ろう!
では、1日にどれくらいのたんぱく質を摂ればいいのでしょうか?
厚生労働省が推奨する、1日に必要なたんぱく質量は、18~64歳の男性は65g、18歳以上の女性は 50g です。しかし、これはあくまで必要最低限の量で、前述の目標量とは異なります。目標量では活動量と年代でさらに区分けされており、たとえば通勤や家事、軽いスポーツをするくらい(活動量レベルⅡ)の人で、30~40代の男性は88~135g、30~40代の女性は67~103gとなります。
性別 | 男性 | 女性 | ||||
身体活動レベル | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ |
18~29歳 | 75~115 | 86~133 | 99~153 | 57~88 | 65~100 | 75~115 |
30~49歳 | 75~115 | 88~135 | 99~153 | 57~88 | 67~103 | 76~118 |
50~64歳 | 77~110 | 91~130 | 103~148 | 58~83 | 68~98 | 79~113 |
65~74歳 | 77~103 | 90~120 | 103~138 | 58~78 | 69~93 | 79~105 |
75歳以上 | 68~90 | 79~105 | ー | 53~70 | 62~83 | ー |
※妊婦、授乳婦は除く
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
4. 効率よく摂取するたんぱく質習慣
では、1日にどれくらいのたんぱく質を摂ればいいのでしょうか?
厚生労働省が推奨する、1日に必要なたんぱく質量は、18~64歳の男性は65g、18歳以上の女性は 50g です。しかし、これはあくまで必要最低限の量で、前述の目標量とは異なります。目標量では活動量と年代でさらに区分けされており、たとえば通勤や家事、軽いスポーツをするくらい(活動量レベルⅡ)の人で、30~40代の男性は88~135g、30~40代の女性は67~103gとなります。
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1. 3食でバランスよくたんぱく質を摂取する
たんぱく質は余剰分は尿中に排出され、体内に蓄積されることはほとんどありません。
まとめて摂取するのではなく、食事ごとに分けて摂取することが有用です。例えば、18~49歳の身体活動レベルⅡの女性は、1日に67~103gのたんぱく質が必要とされています。1食あたり22~34gを摂取するように心がければ、偏りなく必要量を摂取できるようになります。
この摂取の方法はダイエットにも良いとされているので、ぜひ摂り入れてみましょう!
2. たんぱく質を多く含む食品を摂る
毎食のメニューにたんぱく質を多く含む食品を摂り入れましょう。
- 納豆:手軽にたんぱく質を摂取できる食品です。朝食にご飯と一緒に食べるのはもちろん、パスタやサラダにトッピングするのもおすすめです。
- 卵:良質なたんぱく質を豊富に含んでいます。ゆで卵や卵焼きなど、様々な方法で調理できます。
- 豆腐:低カロリーで高たんぱく質な食品です。冷奴や味噌汁、麻婆豆腐など、様々な料理に活用できます。
- 鶏むね肉:高たんぱく質で低脂肪な鶏むね肉は、ダイエットにも最適です。サラダチキンやソテーなど、様々な料理に活用できます。
- ギリシャヨーグルト:通常のヨーグルトよりもたんぱく質が多く含まれています。そのまま食べるのはもちろん、スムージーやデザートにアレンジするのもおすすめです。
3. 高たんぱく質食品を活用する
最近は、たんぱく質を多く含むパンやお菓子なども販売されています。このような食品を活用するのも忙しい毎日を過ごす方にはおススメです。
〔こちらの記事もおすすめ〕【フレイルコラム】たんぱく質を手軽にとるには?コンビニ活用術を紹介します。
- サラダチキン:加熱せずにそのまま食べられて、コンビニで気軽に買えるたんぱく質摂取の優れもの。大きさなどにもよりますが、10~30gのたんぱく質をまとめて摂取できます。
- 高タンパク質パン:最近は、通常のパンに比べてたんぱく質が多く含まれたパンが販売されています。普段の食パンを置き換えてみては?
- プロテインバー:忙しくて朝ごはんを食べられなかったときは、プロテインバーなどを食事代わりにすることもできます。たんぱく質をメインとして、鉄分やカルシウムなども強化されているので、気になる栄養素を気軽に補給できます。
5. 無理のないたんぱく質習慣でフレイル知らずに!
今回は、働き盛り世代にとって、たんぱく質がいかに重要か、そして、忙しい日々の中でも、手軽に効率よくどのように摂取すれば良いのかについてご紹介しました。
たんぱく質は、健康な体を維持するために欠かせない栄養素です。 毎日の食事に、たんぱく質を豊富に含む食品を積極的に取り入れて、健康的な毎日を送りましょう!
※注意事項
「フレミーチェック」は、病気の診断・治療・予防を行うものではありません。
【2】吉田 司他,「大阪府摂津市および阪南市における働く世代からのフレイル該当割合ならびにその関連要因」,日本公衆衛生雑誌,2021
【3】大矢寛子,「郵送検査「フレミーチェック」によるたんぱく質摂取量の評価とフレイルとの関連」,第80回日本公衆衛生学会総会,2021
この情報は一般的な医療知識を提供するものであり、診断や治療を目的としたものではありません。 具体的な症状や治療法については、必ず医師にご相談ください。