【フレイルコラム】どんな状態がフレイル?診断基準・評価を徹底解説。
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最近、「フレイル」という言葉をよく耳にするようになりました。フレイルとはどのような状態なのか、診断基準・評価基準について詳しく紹介します。また、フレイルを早期に知ることがなぜ重要なのかについても解説します。
介護に対して不安を感じる人は多い
厚生労働省が実施した調査によりますと、20歳以上の方で「自分自身が要介護者になる不安がある」と答えた方は75.1%、また、「家族が要介護者になる不安がある」と答えた方は77.6%でした。
具体的には、以下のような不安を感じている方が多いです。
自分が要介護者になったときの不安 ●家族に身体的、精神的負担をかけること ●介護にかかる経済的負担が大きいこと ●収入がなくなること ●人生の楽しみが感じられなくなること など |
家族が要介護者になったときの不安 ●食事や排泄、入浴などの肉体的負担が大きいこと ●ストレスや精神的負担が大きいこと ●家を留守にできないこと、自由に行動できないこと ●介護に対する経済的負担が大きいこと など |
フレイルを知ると要介護状態を避けやすくなる
フレイルとは、加齢により心身が衰えた状態を指す言葉です。成人の3/4以上もの人々が不安に感じている介護ですが、実は「フレイル」について知ることで、回避できるケースもあります。
フレイルを放置しておくと要介護状態になることがありますが、近年では、早期に察知して適切な介入を行うことで元の健康な状態に戻ることができると考えられています。
つまり、フレイルを知り、フレイルを早期に気付くことが、要介護状態を避けるカギにもなるのです。加齢によってフレイルは起こりますが、加齢は生まれた瞬間から始まっています。
誰しもがフレイルを知り、フレイルを敏感に察知するようにしましょう。
フレイルの判断基準
フレイルかどうかの判断基準はいくつかありますが、日本では国立長寿医療研究センターがまとめた以下の基準を用いることが一般的です。
フレイルの判断基準(改訂J-CHS基準) 体重減少:6ヶ月で2kg以上の(意図しない)体重減少が見られた 筋力減少:男性で握力が28kg未満、女性で握力が18kg未満である 疲労感:(ここ2週間)わけもなく疲れたような感じがする 歩行速度:通常の歩行速度が1.0m/秒未満である 身体活動:軽い運動や体操を週に1回もしていない。なおかつ、定期的な運動やスポーツを週に1回もしていない |
上記の5つのチェック項目に3つ以上当てはまる場合は、フレイルだと判断できます。1つもしくは2つ当てはまる場合はプレフレイル、つまり、そのまま放置するとフレイルになる可能性がある状態です。
該当する項目が1つもない場合には、健康だと考えられます。
それぞれの項目を詳しく見ていきましょう。
体重減少
体重を減らそうとダイエットをしている場合、あるいは生活習慣病などの治療の一環として食事療法を行っている場合は、体重が減るのは当然のことです。
しかし、何も特別なことはせず、普通に食事をしているのに体重が減少しているときは注意が必要です。フレイルの可能性もありますが、消化器系統に疾患がある可能性もあるため、病院で検査を受けるほうが良いでしょう。
筋力減少
フレイルかどうかを判断する要素のひとつに、「筋力減少」があります。これは利き手の握力で調べますので、利き手で握力計を思いっきり握って測定しましょう。
握力の基準は、男性と女性で異なります。なお、かつては男性が26kg未満、女性が18kg未満のときはフレイルの可能性があると判断しましたが、2020年に国立長寿医療研究センターの基準が改訂され、男性は28kg未満、女性は18kg未満になりました。
歩行速度
フレイルの診断で用いる「歩行速度」とは、普段の歩く速さのことです。5m測定区間の前後に1mの助走路を設け、歩いた距離(5m)をかかった秒数で割って求めます。測定をするからといって、意識的に普段よりも速く歩いてしまうと、正しくフレイルを調べることができません。
疲労感
最近の2週間を振り返って、わけもなく疲れたように感じる方は、フレイルの診断において「疲労感」があると判断できます。旅行に行ったり、普段以上に忙しかったり、心配事が生じたりなどの明確な理由がある場合は、この診断においては「疲労感」がないと考えらます。
身体活動
軽い運動や体操、農作業などを1週間に一度もしていない場合、また、定期的な運動やスポーツ、農作業を1週間に一度もしていない場合は、フレイルの診断において「運動・体操はしていない」と考えられます。定期的に運動をしている場合でも、月に1度や2度程度では、身体活動をしているとは判断できません。
フレイルは病気ではないが病気が潜んでいる可能性がある
フレイルは「加齢によって心身が衰えた状態」を指すため、決して病気ではありません。そのため、フレイルだと判断された場合でも、必ずしも病院に行く必要はありません。しかし、フレイルの原因として、加齢だけでなく何らかの疾病が潜んでいる可能性もあるため、急激な衰えが見られたときは早めに医師に相談するようにしてください。
また、フレイルに気付くことで、要介護状態を回避することもできます。常にご自身の状態やご家族の状態をチェックして、フレイルに早めに気付けるようにしましょう。
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