加齢だけじゃなかった!女性の薄毛にホルモンケアが重要な3つの理由
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歳だからと薄毛をあきらめていませんか?
女性の薄毛はホルモンと密接な関係があり、最新の研究ではエクオールと呼ばれる成分が関係していることも判明しています。薄毛対策にホルモンケアが大切な3つの理由をご紹介し、薄毛予防のために何ができるのか具体的に解説します。
女性ホルモンが薄毛対策のカギを握る3つの理由
年齢を重ねることで髪にさまざまな影響が生じます。毛量が減ったり、白髪が増えたり、抜けやすくなったりすることもあります。
しかし、単に加齢だけが毛髪の変化の原因ではありません。加齢により女性ホルモンが減少することで、毛髪に変化が起こることもあります。
さまざまな毛髪の変化の中でも薄毛は、女性ホルモンの減少を反映する現象です。その理由としては、次の3点が挙げられます。
- 女性ホルモンは毛髪の成長と維持に欠かせないから
- 女性ホルモンが減少すると相対的に男性ホルモンが強まるから
- 女性ホルモンは加齢とともに減少するから
それぞれの理由について見ていきましょう。
1.女性ホルモンは毛髪の成長と維持に欠かせないから
女性ホルモンの1つ、エストロゲンは産後や閉経後に分泌量が少なくなるという特性があります。エストロゲンは毛髪の成長と維持に欠かせないホルモンのため、産後や閉経後に薄毛で悩む女性が増えます。
2.女性ホルモンが減少すると相対的に男性ホルモンが強まるから
薄毛に悩む男性も少なくありません。男性の薄毛の原因は、遺伝的な要因と男性ホルモンの作用が大半といわれています。特に前頭部と頭頂部が薄くなるケースは、男性ホルモンの影響が強いと考えられるでしょう。
女性も、女性ホルモンが減少することで相対的に男性ホルモンの割合が増え、男性型の脱毛症になることがあります。更年期になると女性ホルモンの分泌が減少するため、男性ホルモンに由来する男性型脱毛症になることが少なくありません。
なお、前頭部と頭頂部が薄くなる男性とは異なり、女性が男性型脱毛症を発生するときは頭頂部を中心として広範囲に薄くなる傾向にあります。
3.女性ホルモンは加齢とともに減少するから
毛髪の成長と維持に欠かせない女性ホルモンですが、生涯を通じてコンスタントに分泌されるのではありません。成長とともに徐々に分泌量が増え、20代あたりでピークを迎え、徐々に分泌量が減っていきます。
加齢とともに女性ホルモンの分泌量が減ることで、毛髪にも影響を及ぼします。個人差はありますが、40代、50代と年齢が進むことで加齢と閉経の2つの要因から大幅に女性ホルモンの分泌量が減り、見た目にも分かる程度の薄毛になることがあります。
女性ホルモンの減少をカバーするイソフラボン
40代、50代になると加齢と更年期により女性ホルモンの分泌が減り、薄毛が見られる女性も多くいます。加齢も更年期も避けることができない変化のため、薄毛も仕方のないことと考える方も多いのではないでしょうか。
もちろん加齢も更年期も避けることはできませんが、減少する女性ホルモンと似た働きの成分を補うことで薄毛対策を行うことができます。例えば、イソフラボンは、体内に入ると女性ホルモンの1つであるエストロゲンと似た働きをする成分です。イソフラボンを食事などから摂取することで、女性ホルモンの分泌が減っても豊かな毛量を維持できるケースもあります。
イソフラボンの健康効果には個人差がある
イソフラボンは女性ホルモンに似た作用を示すため、更年期症状の緩和などの効果でも知られています。また、厚生労働省研究班による研究では、食品からのイソフラボン摂取量が多い女性は乳がんや心筋梗塞などのリスクが低いなどの健康効果も報告され、更年期前後の女性だけでなくすべての方が積極的に摂りたい成分といえるでしょう。
しかし、イソフラボンの健康効果には個人差があるため、誰もが同じような効果を期待できません。効果の違いは、どのような形で吸収されるかによって生じます。
食事から摂取したイソフラボンは腸から吸収されますが、そのまま大豆イソフラボン(ダイゼイン)の形で吸収される人と、腸内細菌によってエクオールという成分に変換されてから吸収される人がいます。エクオールとして吸収される場合は、大豆イソフラボンとして吸収されるよりもエストロゲン活性が高く、より高い健康効果を期待できます。
イソフラボンがエクオールに変換される人・されない人の違い
イソフラボンを効果の期待できる形で吸収するためにも、体内でエクオールに変換されることが望ましいといえます。エクオールに変換されるかどうかは、腸内細菌に「エクオール産生菌」が含まれ、なおかつ活動しているかどうかにかかっています。
エクオール産生菌が腸内にあり、エクオールをつくることができる人を「エクオールプロデューサー」と呼びますが、日本人では約50%が該当するとされています。欧米諸国の人々は約20~30%とされているので、日本人は比較的エクオールプロデューサーの多い国民です。
日本人以外にも中国や韓国、台湾などの東アジアの人々はエクオールプロデューサーが多いとされています。いずれも大豆を日常的に食べる地域であるため、エクオールを産生できるかどうかは人種の差というよりは食生活による差と考えられています。
更年期以後の薄毛を軽減するためにも、女性ホルモンに注目し、適切なケアをおこなっていくことができます。大豆イソフラボンを積極的に摂取することも、腸内でダイゼインやエクオールの吸収量を増やすことにつながるため、薄毛対策の1つになるでしょう。
→エクオールについて詳しくはこちらをチェック!「エクオール」ってそもそも何?つくれる人の特徴は?
白髪対策にもエクオール
エクオールプロデューサーかどうかは、毛髪の量だけでなく白髪にも影響する可能性も出てきました。エクオールを体内で作ることができる方は、白髪の密度と割合が低いことが報告されています。いつまでも豊かな毛量と若々しい髪色を保つためにも、エクオールの働きに注目してみましょう。
出典:岩下聡、宮川春菜、上野友美、浜本圭介、内山成人、植木理恵, 閉経後女性における毛髪とエクオール産生能の関係に関する観察研究,The Journal of Japanese Society of Aesthetic Dermatology Vol.30 No.1
薄毛予防のために今から始めたい3つの食習慣
薄毛予防には、適切に女性ホルモンが分泌される状態、つまりホルモンバランスの良好な状態を維持することが不可欠です。適度に運動をして、しっかりと睡眠を取ることなども大切ですが、食生活からもアプローチすることができます。エクオールを意識して、次の食生活を始めてみてはいかがでしょうか。
- 日々の食事に大豆を採り入れる
- 食物繊維の多い食材を選ぶ
- バランスの良い食事を心がける
それぞれの食事がなぜエクオールにつながるのか、詳しく見ていきましょう。
日々の食事に大豆を取り入れる
日本人の約50%はエクオールを産生することができます。しかし、10代、20代の若い世代は20~30%の方しかエクオールがつくれていないともいわれます。将来、加齢や閉経によって女性ホルモンの分泌量が減ると毛量が減りやすいと考えられるだけでなく、更年期障害の症状が重くなる恐れもあるでしょう。
若い世代にエクオールをつくれる人が少ない理由として、大豆の摂取量が減っていることも考えられています。大豆は豆腐や醤油、納豆などのさまざまな形で食べることができる食材です。普段の食事にも採り入れやすいので、ぜひ1品、加えてみてはいかがでしょうか。
食物繊維の多い食材を選ぶ
腸内細菌が活発に働くことで、大豆イソフラボンがエクオールに変換されます。腸内細菌が働くためには、栄養分となる食物繊維が欠かせません。
特に若い世代は食物繊維の摂取量が少ないといわれています。根菜やキノコ類、海藻などの食物繊維が豊富な食材を積極的に採り入れていきましょう。
バランスの良い食事を心がける
大豆や根菜、キノコ類など、エクオール産生につながる食材はたくさんあります。しかし、特定の食べ物ばかり食べ続けることは、決して健康的とはいえません。
さまざまな食材をバランスよく食べつつ、大豆や食物繊維なども豊富に摂取することが大切です。バランスの良い食生活は、健康の源です。元気で若々しく生活するためにも、バランスよく食べることを意識していきましょう。
食生活から薄毛予防を始めましょう
若いときから大豆や食物繊維を豊富に食べることで、将来、女性ホルモンの分泌量が減少したときにも豊かな毛量と若々しい髪色を保ちやすくなります。栄養バランスも考えて、食生活に大豆や食物繊維を加えていきましょう。
体内でエクオールが産生できているかどうかは、簡単な尿検査で調べることができます。ヘルスケアシステムズでは郵送検査事業として、大豆イソフラボンからエクオールに変換されているかチェックする「ソイチェック」を実施しています。ぜひご利用ください。