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エクオール効果を得るために、1日1~2回は大豆食品を


エクオールの作用について調べた研究結果を見てみると、1日に10mgのエクオールで一定の効果が得られているのがわかります。(「エクオール」ってそもそも何?つくれる人の特徴は?参照)

では、エクオール産生者の腸内で10mgのエクオールを生み出すには、大豆食品からどのくらいの大豆イソフラボンを摂ればいいのでしょうか。たとえば豆乳ならコップ1杯分(200g)程度が必要なようです(図1)。おもな大豆食品に含まれる大豆イソフラボンの量を図2にまとめます。ただし大豆食品に含まれる大豆イソフラボンの量というのは、大豆の品種や商品によって、ばらつきがあります。
 

図2 主な大豆食品1食分に含まれる大豆イソフラボン量

大豆食品 1食目安量 含有量
豆乳 コップ1杯(200g) 50mg
納豆 1パック(50g) 37mg
煮大豆 小鉢1杯(50g) 36mg
豆腐 3分の1丁(100g) 20mg
凍り豆腐 1個(20g) 18mg
きな粉 大さじ1(6g) 16mg
油揚げ 1枚(20g) 7.8mg
味噌 味噌汁1杯分(15g) 7.5mg
おから 小鉢1杯(50g) 5.3mg

内閣府食品安全委員会,大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方(2006年5月)のデータから算出。
 

人によって、日によってエクオール産生量は違う

 
腸内で大豆イソフラボンからエクオールを生み出す力も、その日の体調や、一緒に食べたものの影響などによって変わってくると考えられます。実際、腸内でエクオールをつくれるエクオール産生者に毎日一定量の大豆イソフラボンを摂取してもらった場合の、1週間のエクオール産生量の推移をみた研究があります。個人差も、日々の差も大きいことがわかります(図3)。

27人のエクオール産生者が7日間、一定量の大豆食品を食べた場合の、尿に含まれるエクオール量を測定。尿に含まれるエクオール量は、腸内でのエクオール産生量の指標となる。
尿中エクオール量は日によって変動し、スタート時産生できていた人でも途中からつくれなくなるケースもあった(グラフ内太赤線)
麻生武志, et al. 日本女性医学学会誌 20 (2012): 313-332.より一部改変

またエクオールは、大豆食品を食べてから8時間後ぐらいに血中に現れ、12~24時間後に血中濃度が最大となり、72時間でほとんどが体外に出てしまいます。※1エクオールの恩恵を受けるには、毎日一定量、たとえば1日に1~2回は大豆食品を摂るように心がけるのがおすすめです。
 

エクオール効果を高める食品は?


エクオールを生み出すのは腸内細菌ですから、エクオール効果を高めるには、腸の調子を整えておくのが大切と考えられます。動物試験では、消化吸収されにくく大腸まで届いて腸内細菌の餌になる「オリゴ糖」や「難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)」を大豆イソフラボンと一緒に摂ると、エクオールの産生量が増えることが確認されています。※2※3

人間でも同様の効果が得られるかどうかについてはまだ結論が出ていませんが、これらの成分や食物繊維をしっかり摂って腸内環境を整えるのは、エクオール効果を高めるという目的もさることながら、さまざまな不調の予防や改善のためにも大切です(勝負の日に備えるために!今から取り組みたいカラダを守る免疫習慣参照)。ちなみに大豆は、オリゴ糖や食物繊維の補給源にもなります。エクオールの原料を補給すると同時に、エクオール効果を高めることまで期待できる、とても優秀な食材と言えるでしょう。

カラダのものさしには、エクオール産生量を確認する「ソイチェック」、腸の健康度を確かめる「腸活チェック」等の郵送検査があります。ご自身のカラダのものさしとして、是非検査をご活用ください。

※1 Watanabe, S., et al. The Journal of nutrition 128.10 (1998): 1710-1715.
※2 Ohta, A., et al. The Journal of nutrition 132.7 (2002): 2048-2054.
※3 Tousen, Y., et al. Metabolism 60.10 (2011): 1425-1432.